補聴器のワイヤレス通信



最近の補聴器はワイヤレス通信対応が主流になってきています。
通信(Bluetooth)を使用でき、音楽や携帯電話の音声を補聴器に取り込み聞く事ができる。
簡単に言えばイヤホンなどで聞いている感じに出来る。
補聴器の通信システムと言っても、大きく分けて2種類に分類できます。

1、補聴器本体の通信

1-1、操作性の同期
操作性の同期とは、左右の補聴器のボリューム・プログラム変更などが、左右の補聴器で通信し同期します。
従来は右のボリューム、左のボリュームと別々に操作が必要でしたが、左右が同期することで、右のボリュームを上げれば左のボリュームも同等に変化するので操作性の簡略化・操作による左右バランスのズレを無くす事が出来ます。
しかしデメリットとしては、片方だけボリュームを上げるといった操作は同期するとできないので設定には注意が必要です。

1-2、機能の同期
これは操作性の同期より複雑な機能になるかと思われ、知らない人も実際に多いのではないでしょうか?

現在の補聴器に搭載されている機能は、自動で変化する機能も多く有ります。
・環境適応型雑音抑制
 使用環境の雑音レベルや音声信号などによって自動的に雑音抑制の強度を変化させています。
・指向性マイク
 マイクの感度を全方位(無指向)、正面(指向)とやはり環境の状態で自動的に変化させています。

それ以外にもプログラムを環境の状態で自動的に変化させている機種もあり、いろいろな機能が自動的に使用環境では変化しています。

これらの機能が補聴器を実環境で使用していると、従来の補聴器では左右がバラバラに動く感じになります。

例えば、両耳に補聴器を使用していても右方向から来る音と左方向から来る音では違います。
そのため左方向から雑音が多くなると、左の補聴器だけが雑音抑制が強く作動し、指向性に変化したりして、音量バランスがくずれて聞取りがし難くなったり、音の方向感・距離感が分からなくなったりします。

(SIEMENS社のe2eの説明画面)
このように車の音も音源定位が難しくなり音がぶれる状態になりやすいのが従来の状態です。

左右の機能が同期する事で、両耳使用の原則である音量バランスが保て指向性、雑音抑制も同期状態で作動するので雑音下での聞取りも本来の機能が生かされた状態になり理論的には効果的になります。

それ以外にもハウリングの発生の有無を左右同期させて機械的に判別しやすくしてハウリングマネージャーをより正確に作動させたり、電話の受話器を右にあてて聞くと、左の補聴器からも電話の音声が聞こえるように出来る機能なども

これらの機能は左右の補聴器が通信することで可能となる機能と言えます。


2、補聴器と外部機器との通信
先にあげたBluetoothを使用した通信システムです。


SIEMENS社の通信システム(Tek)の説明図

図の中央に有るTekがBluetooth通信機になります。
電話、テレビなどの外部機器からTekまでがBluetooth通信
Tekから補聴器までの通信はAM波だったと…思います。


Oticon社の通信システム(ストリーマー)の説明図

このように各社Bluetoothの送受信は補聴器本体ではなく別の接続機器が必要になります。
欠点はBluetoothの送受信機から補聴器間の通信波が弱いので、基本送受信機を首から下げておく必要と、少し首を動かすと外部入力音声が途切れやすい場合が有ります。


PHONAK社のマイコム(Bluetooth送受信機)
これは首から下げるネックループにアンテナが内臓されているので比較的に音声の途切れが少なく安定してるかと思います。


GN Resound社、Beltone社(ユナイトシリーズ)
他のメーカーと違い、外部接続機器と補聴器の間にBluetooth送受信機を必要としないタイプです。
2.4GHz通信を使用しているので通信強度も強く音声が途切れ難いのが特徴ですが、通信が強いぶん電池の消耗が激しいのが欠点です。

各社同じように思える通信システムも通信強度やアクセサリーの種類、外部入力音声の音質などけっこう違いが有ります。
補聴器本来の音質・性能も選びますが、外部通信も使用する場合はシッカリと各社のメリット・デメリットを考える必要が有ります。