補聴器用オーダー耳せん:イヤモールドについて



近年、耳掛型補聴器を使用される方が増えていますが、耳栓はどのようにしていますか?
今回は耳掛型に使用する耳栓についてご説明したいと思います。

一般的な割合で考えると耳栓は規制のシリコン耳栓(キノコみたいな形状)を使用されている方が多いように感じますが、耳栓には耳型を採取して作成するオーダー耳栓“イヤモールド”が有ります。

イヤモールドの利点としては
・ハウリング(音漏れ)し難い
・脱落防止
・音圧が向上(音量が強く感じられる)
・周波数特性の変化
などなど、さまざまなメリットが有ります!

デメリットとしては
・作成するのに別途金額がかかる
・着け心地や自分の声の違和感が出る場合も有り

総合的に考えるとメリットの方が多いかと思われます。


ではイヤモールドについて
1、まずは形状が数種類あります。

1-1、カナルタイプ

一般的に軽中度難聴から高度初期の方が使用する場合が多い形状。

1-2、スタンダードタイプ

一般的にお子さんや高重度難聴者の方が使用する場合が多い形状。
耳の穴が動く人などにも選ばれる場合があります。

1-3、箱型補聴器用

形状的にはスタンダードと同じ感じの形状。

1-4、シェル

全体の形状はスタンダードと同じ感じですが、表面部分を削り込んであるので、通常のスタンダードよりも着け心地が軽いタイプ。

1-5、スケルトン

全体の形状はスタンダードと同じ感じですが、中心部分をくりぬいて周りだけみたいな形状。
着け心地はシェルより軽い感じになります。

2、次にイヤモールドの素材について
素材も色々な素材が有ります。

2-1、ハード
最も使用者が多い素材で硬質。

2-2、ソフト
ハードの次に使用者が多い軟質素材。
お子さんや硬いのを耳に入れるのに抵抗感がある人、耳が動く人などに使用する場合も多い。
ハードに比べ耐久性が短く、経年劣化により硬化し亀裂が入る場合も…

2-3、コンビネーション
耳の穴に入れる部分はソフトで、表面部分はハードと二つの素材を使用したタイプ。

2-4、サーモソフト
耳に装着していると体温で温まり柔らかくなる素材。
柔らかくなった状態ではソフトより少し柔らかい感じ。

2-5、シリコン
ソフト素材に比べかなり柔らかく、グミの様な感じ。
同じシリコンでも硬さは何段階か選択できる場合も有ります。
耳に入れると皮膚にくいつく感じで動きに強い特徴。


この様に同じイヤモールドでも形状・素材といろいろ有ります。
素材によっては選択出来ない形状も有るので、作成する場合は販売店に尋ねると良いかと思われます。


3、イヤモールドのカラー
ここ数年イヤモールドもカラー選択が出来る様になって来ているメーカーも増えています。

 


シバントス社:ポップフィット

素材はシリコン製になり形状はスタンダードのみ

スターキー社:ソフトイヤモールド

こちらも素材はシリコン製になり形状は豊富で選択可能

 

4、特殊イヤモールド
近年では耳掛型補聴器でも、スリムチューブ(細いチューブ)タイプや、レシーバー分離型といった従来の耳掛型と違った形状の補聴器も増えています。
これらの補聴器に対応するイヤモールドも有ります!!

WIDEX社HPより

これはWIDEX社のですが、他メーカーも同様でリリースしていますので、レシーバー分離型やスリムチューブタイプを使用している方でもイヤモールドでしようする事が可能です。

それ以外にもインスタントモールドと言う耳型採取をする材料と同じような素材で、耳型を採取しその場で簡易イヤモールドとして使用できる物も有ります。


まとめ
日本ではイヤモールドの使用者はかなり少ない傾向で、ハウリングしなければ規制のシリコン耳栓で…
といった場合が多い。
ただイヤモールドはハウリングを止めるために在るわけではなく、音響特性など聞こえの面で重要なアクセサリーです。
専門的観点から考えた場合は、音響面などからイヤモールドを使用した方が良いと思われるのでお勧めです!!


                 カラー イヤモールドの参考イメージ


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