補聴器に溜まる結露



夏場は汗に注意する必要が有りますが、冬場は結露の問題が!!

長年耳掛型補聴器を使用されている方はご存じかも知れませんが…
これから寒くなるにつれ、耳掛型のチューブ内部に水滴が溜る現象がおきます。


チューブ矢印の部分が結露による水滴です

結露が溜ってくると水の膜が出来てチューブ内を音が通らなくなってしまいます。
そのため症状としては
音が出ない・音が小さい・ボワンとこもった感じ…
などなど

結露が出来る原因は
補聴器を装着していると、チューブ内部の空気は体温により温まります。
それにより外気との温度差が生じ結露が発生してしまいます。
結露が起きやすいかどうかは個人差もかなり有りますが、起きやすいと考えられるタイプは、
体温が高い・温度差がある環境を行き来する・耳栓やイヤモールドの密閉率が高いなど…

結露対策としては昔からチューブ内に木綿糸を入れる方法が一般的です。(原始的ですが…)

メーカーの純正部品としては、リオネット社が防滴チューブをリリースしています。


左の補聴器に付いているチューブが防滴チューブ、右は通常チューブ
チューブ内部にギザギザと糸が入っています。

糸を入れる事で、チューブ内に溜った水分を糸が給水し、水の膜が出来ないようにします。

もし防滴チューブが無い場合や、防滴チューブでも水が溜まってしまう場合は、


チューブ内部に木綿糸を入れれば同じ効果が期待できます。
この場合チューブ内に糸が落ちたりしないように、補聴器本体のチューブを差し込む部分(フック)に糸をかませて固定すると良いと思います。
それとお勧めとしては、糸を二つ折りにする感じで、チューブ内に2本糸がある状態がより給水するので良いかも知れません。

糸を入れた場合に良く聞く質問で「糸を入れる事で聞こえが悪くなりませんか?」
と聞かれる方がいます。


特性図

グラフの下側にある2本の線が補聴器の利得(増幅値)になります。
青線が通常チューブの状態で、緑線が木綿糸を入れた状態。
ほぼ同じ利得になっています。
この結果から、チューブ内に糸を入れても音量的変化はほとんどないと思われます。
補足として、糸に水分を吸着させた状態でも特性変化は見られませんでした。

まとめ
結露については耳掛型の補聴器で起きる場合が多いので、電池を交換したのに聞こえない…
そんな場合はチューブを見て下さい。

結露対策は自身でもチューブ内に糸を入れたりも出来ますが、それでも結露が発生しやすい場合は、耳栓部分に小さい穴を開けたりするのも若干効果が認められます。

そして結露は耳掛型補聴器だけでなく、耳穴型補聴器でも発生する場合も有ります!!
耳穴型の場合は、レシーバーに固定しているレシーバーチューブ内で発生する事が多いです。
構造的に結露が発生しても処置する事が難しく、感度不良を起こし修理になってしまうので注意が必要です!
発生の原理は補聴器の装着時というよりは、保管時に発生している事も考えられるので、保管場所の室内が温度差があまり起きない場所に乾燥ケースを置いて下さい