補聴器の苦手な季節、夏
補聴器は精密機器です。
そのため湿度・水には弱いにが一般的ですが、実際の補聴器の使用環境を
考えるとどうでしょうか?
人の体に密着させて使用する状態・・・
簡単にいえばテレビを浴室に置いて使用しているのに近い状態です。
そう考えるとかなり加工な状況下で使用される補聴器
故障しないための保守管理が重要なのが分かるかと思います。
そこで
自分でできる夏場の補聴器管理方法を紹介します
上記、左側のグラフが月別の故障修理件数を表しています。
黒線が通常補聴器の故障件数・・・ 6月以降から急激に補聴器の故障
修理件数が増えるのがよく分かると思います。
ナノテックコーティングあり、と記載された青線は近年各社が採用している 撥水コートがされた補聴器の場合。
従来の補聴器に比べ修理件数が少なくなっていますが、年間を通してみるとピークの時期は同じになり、6月から10月位まで一番補聴器が故障しやすい時期と なります。
ではこの時期に重要な手入れ方法として
1、拭き掃除
湿気・汗の影響を受けやすいので、簡単なことですが乾いた布などで補聴器を拭く ことがとても有効です。 特に外出から帰宅した時、外出先でも汗を多くかいた時は一度補聴器を外し 本体に付着した汗をよく拭くこと。さらに細かく手入れをする場合は、補聴器から電池を外し電池もよく拭き掃除するとさらに故障率は下がるかと思います。
2、就寝時の乾燥ケースの使用
梅雨から夏場の磁気は通常の空気中湿度も80%以上の日が多くなります。
80%の湿度と言っても数値的に高いのは分かるかも知れませんが・・・
実際はどのくらいかと言うと
夏場ではない時期で空気中の湿度が50%位とすると、実際補聴器を装着した場合、外耳道(耳の中)内の湿度は上昇していきます。
最終的に80%前後の湿度状態になります。
つまり、夏場は耳から補聴器を外して置いても、空気中の湿度が高いので、耳に装着している状態とあまり変わらないようになってしまい、補聴器が常に湿気を帯びた状態になります。
そのため就寝時や長時間補聴器を使用しない時は乾燥ケースに保管して下さい。
乾燥ケース内は約45%前後の湿度環境が維持された状態なので、通常の乾燥ケースなら3時間以上はケース内に入れるのが効果的です。
湿気は補聴器が故障しない程度でも、湿気を帯びた状態では補聴器から出る音が鈍くなります。
常に乾燥された状態が良い聞こえをキープするのにも重要です。
※乾燥ケース内の乾燥剤は定期的に交換しないとならないのでご注意下さい。
3、耳掛型補聴器を使用の場合は汗カバーの使用も有効です。
補聴器本体に布製のカバーをかぶせて使用する方法。
汗カバーを使用することで補聴器本体への直接的な汗の付着・浸透を
軽減できるので効果的です。
近年の補聴器では
ここ数年では補聴器メーカー各社が湿気・汗対策に力を入れています。
夏場に一番故障しやすい耳掛型補聴器も多くの器種には撥水・防水といった
対応が増えています。
撥水コーティングとして採用されているのがナノコーティング
従来のコーティング剤は表面に塗るかスプレーで噴霧されるのが一般的でしたが、近年のナノコーティングは特殊な機械でプラズマ処理したコーティング剤を吸着させるためかなり撥水効果が 工場しています。
さらに丈夫なのが防塵・防水型補聴器
こちらはコーティングだけでなく構造的な処置をした物になります。
そのため水をかけたり、水没させても重大な故障をおこさないので、通常使用の汗などでの故障は極めて少なくなります。
但し、防塵・防水基準を常に満たすには、年1回のオーバーホールを行うことを各社推奨しています。
内部に水の侵入を防ぐ防水パッキンなどの定期的な交換が必要となります。