聴力の低下は、意外と自分では気づきにくいもの。「視力」比べても自分の聴力を正確に把握している方は、それほど多くないのではないでしょうか。たいていの場合、特に加齢による聴力の低下は、ゆっくりと時間をかけて進行してゆきますので、難聴の症状に自分では気づきにくいといわれています。日本補聴器工業会のデータによると、日本にはおよそ1944万人の方が聴力低下しており、それは人口の15%であるといわれています。
そのうちの698万人の方は、自分の聴力低下を自覚はしていても補聴器は使っていないという方です。つまり、多少は聞きづらくなったけれど人との会話では、状況など前後の関係で内容の理解ができる、相手の動きなどで判断しているので、自分ではそれほどではないと思ってしまいます。また、900万人以上の方が自分の聴力低下に気づいていないとも言われています。ですから他の人から見るとちょっと聞こえていない、耳が遠いと思われていても自分では気づかない、ということになっています。
そして、339万人の方が補聴器を使われています。聴力が下がってきている方々の総数から
見ると随分少ないということがわかります。欧米諸国では、聴力低下の初期段階で補聴器の装用はすすめられますし、それに伴い補聴器を使われる方も多いようですが、日本の場合、自分の聴力低下に気づいていても、補聴器の使用をためらわれている方が多いことがわかります。